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令和元年度第51回卒業式(2)校長式辞

  • 学校行事

長かった冬もようやく終わりに近づき、この御殿場の地にも春の息吹が感じられるようになりました。早春のこの佳き日に、御殿場市長・若林洋平様をはじめとする多くのご来賓の皆さまのご臨席を賜り、第51回卒業証書授与式を挙行できますこと、心より感謝申し上げます。

ただいま呼名いたしました261名の卒業生の皆さん。皆さんは、「誠実・友愛・勇気」の校訓のもと、所定の学業を終えて、本日ここに本校を巣立つことになりました。卒業おめでとうございます。保護者の皆様、本日は誠におめでとうございます。また、新型ウイルス感染拡大防止の観点から、本日は在校生の出席はかないませんでしたが、在校生一同も心より皆さんの卒業を祝福してくれています。

 

さて、卒業生の皆さんの、新たな門出に当たり、はなむけとして二つのお話をします。

一つ目は、「広い視野を持って人生を送って欲しい」ということです。現在、グローバル社会はますます進展し、また、障害のある方々や様々な特性を持った方々との共生も大きなテーマとなっています。今年は、2020東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。オリンピックでは、世界のトップアスリートが東京に集い、頂点を競い合い、最高のパフォーマンスを発揮する事でしょう。パラリンピックでは、様々な障害を持った方々がそれぞれの限界にチャレンジします。皆さんには、それらの姿から共生社会の深い意味を感じ取って欲しいと思います。人種、肌の色、性別、言語、宗教、障害のあるなしなどあらゆる面での違いを自然に受け入れ、互いに認め合う広い視野を身につけてください。そして、人生を送る中で、これからの開かれた時代、多様性を尊重し合う共生社会の熟成に向け力を尽くしてください。

二つ目は、「感謝の心」を大切にしてほしいということです。本校のシンボルである「ふじいばら」は、凍えるような冬の寒さに耐え、ようやく春の気配が感じられる今、花開かせる準備を始めました。ふじいばらの花は一人で咲くのではありません。支えてくれる幹や枝があり、光合成をしてくれる葉があり、大地の栄養をたっぷりと吸収してくれる根があるからこそ花開かせるのです。本日皆さんが、卒業という「美しい花」を咲かせることができましたのは、皆さん自身の日々の努力はもちろんのこと、ご家族の支えや励まし、先生方のご指導や友人からの応援など、たくさんの支えがあったはずです。そういう方々への感謝の心を大切にしてください。これからは、本校で培った生きる力を糧に、周囲に対する感謝の念を持ち、自己研鑽に努め、幸せな人生を切り開いていってください。

 

保護者の皆様、お子さんのご卒業、誠におめでとうございます。これまで本校の教育活動に対し、ご理解・ご協力をいただきましたこと、深く感謝申し上げます。私共教職員も、生徒一人一人の幸せを願いながら、渾身の力を込めて生徒達の教育に携わってまいりました。今日は、お子さんの人生の新たな出発点です。本校で学んだということは、必ず、長い人生の中で生きてくるものと信じております。

 

卒業生の皆さん、いよいよ旅立ちの時が来ました。皆さんは、本校の歴史に新たな1ページを刻んでくれました。青春の学び舎「御殿場西高校」は、君達にとって永遠の故郷です。ここにいる261名は、将来に向け大きな可能性を秘めた存在であると確信しています。

 

結びに当たり、皆さんに対し真剣に向き合ってきた、本校の全ての教職員を代表して、心を込めて。『君達の人生に、幸多かれ!』

 

令和2年3月2日 

御殿場西高等学校 校長 菊池 基